CNCルーター加工の費用:メーカーはどう見積もるのか
同じ看板のファイルを4つのCNC工房に送ると、まったく無関係に見える4つの価格が返ってくることがあります。でも実は無関係ではありません。ルーターを持つメーカーのほとんどは、同じいくつかの項目から見積もりを組み立てています。機械、工具、その週の忙しさによって、重み付けが違うだけです。項目を知っていれば、見積もりを読み解き、水増しされたものを見抜き、もっと安い金額を引き出す依頼文を書けます。
計算式
価格 = 段取り +(機械時間 × 機械時間単価)+ 材料 + 仕上げ、× 特急係数
メーカーがファイルを代わりに作図する場合、デザイン時間はこれとは別です。送料も別です。
機械時間単価
ルーター加工は時間で課金されます。機械時間の時間単価は各メーカーが自分で決めていて、電気代だけでなく、機械本体、ビット(消耗品です)、集じん、削り直しが必要な捨て板、そしてシートを載せて加工を見守る人の分まで含まれています。大きく速い機械は時間単価が高くても、早く終わるぶん1個あたりでは安くなることがあります。
全員に共通の単価はありません。4×4のホビー機を持つガレージ工房と、5×10の吸着テーブル付きルーターを持つ看板会社は別のビジネスです。だからこそ、同じファイルで複数の見積もりを比べるほうが、どんな料金表よりも多くを教えてくれます。
機械時間
時間は3つの要素で決まります。
- ツールパスの長さ。 切削中にビットが移動する総距離です。24 × 36 inのパネルの輪郭なら約10フィート。同じサイズのVカーブ看板は、ビットが一文字ずつなぞるため、何倍にもなることがあります。
- パス数。 1/4 inのビットで3/4 inの合板を一度に切ることはできず、何回かに分けて切り込みます。3パスなら輪郭を3周することになります。
- 送り速度。 ビットが動く速さで、素材、ビット、機械の剛性によって決まります。MDFや合板は速く切れ、広葉樹は遅く、アクリルやアルミはさらに遅くなります。
CNC加工時間計算ツールで自分でも計算できます。ツールパス長 ÷ 送り × パス数に、突っ込みと、コーナーや早送りのための余裕を加えます。
段取り
段取りはパーツごとではなく、依頼ごとに一度だけかかります。ファイルを開いて確認し、CAMソフトでツールパスを作り、シートを載せ、原点を出し、ビットを替え、試し切りをする作業です。小さな看板1枚なら段取りが合計の大部分を占めることもあります。キャビネット側板40枚のロットなら、1枚あたりではほぼ消えてしまいます。
材料
自分で材料を用意しない限り、別途かかります。1枚あたりのおおよその安い順:MDF、構造用合板、バルチックバーチ、HDPE、アクリル、HDU看板用フォーム、広葉樹。広葉樹は体積単位で幅もまちまちに売られるので、幅広のパネルには板の接ぎ合わせが必要になることがあり、それも手間です。
メーカーは依頼で使う分と端材を請求します。4×8シートにパーツを詰めて配置すれば、ムダは減ります。
仕上げ
機械が止まってからの作業はすべて手作業です。タブを切って面一にやすりがけ。表面と木口のやすりがけ。Vカーブの文字に塗料を入れて、表面を削り戻す。ステイン、シーラー、クリア塗装、それぞれに乾燥時間。合板の木口テープ。金具。必要なことと、同じくらい大事な、不要なことを伝えましょう。「未加工、タブ付きのまま」が最も安い仕上げです。
特急
納期が短いと、ほかの客の仕事を機械から外すことになります。割増料金がかかること、そもそも断るメーカーもいることを想定してください。「なるべく早く」はたいてい特急扱いになるので、具体的な日付を伝えましょう。
CNC加工が高くなる要因
| 要因 | 安くなる場合 | 高くなる場合 |
|---|---|---|
| ディテール | 単純な輪郭と少しの穴 | 小さな文字のVカーブ、3Dレリーフ彫刻 |
| 素材 | MDF、合板 | 接ぎ合わせた広葉樹、HDU、アクリル、アルミ |
| 深さ | 薄い材料の貫通カット | 深いポケット、厚い材料、大量の削り取り |
| 数量 | 同じパーツを1枚のシートでまとめて | 1点もの、それぞれに段取り |
| ファイル | 1:1のきれいなDXF | 作図が必要な写真、スケッチ、PNGロゴ |
| 仕上げ | 未加工 | 塗装、ステイン、保護塗装 |
| 納期 | 2週間 | 2日 |
購入者がいちばん見誤るのは彫刻の細かさです。ポケットやレリーフで材料を削り取るのは時間がかかります。ビットは縁をなぞるだけでなく、すべての面積をさらわなければなりません。彫刻看板1枚のほうが、シート1枚分のパーツを切り抜くよりずっと長く機械を占有することもあります。
見積もりを安くするには
- きれいなファイルを送る。 1:1のDXFかSVG、単位を明記、閉じたパス、文字はアウトライン化。メーカーがファイル修正に使う時間はすべて請求されます。
- パーツを1つの依頼にまとめる。 段取りは一度だけ。1つの依頼に10個なら、1個ずつ10回依頼するよりずっと安くなります。
- 用途に合った素材を選ぶ。 MDFは屋内の塗装パーツに最適で加工も安価ですが、屋外や水回りには向きません。
- 彫刻をシンプルにする。 文字数を減らし大きめの太い書体にすると、彫りは速く、遠くからも読みやすくなります。
- できるなら仕上げは自分で。 タブ付きの未加工パーツを頼み、やすりがけと塗装は自宅で。
- 近くで引き取る。 大きなパネルは送料が高くつきます。近くのメーカーなら、加工費で節約できる以上に送料を節約できることもあります。
- 複数の見積もりを取る。 単価も混み具合もさまざまなので、同じファイルでもメーカー間の差は本物です。
投稿前のおおよその目安
誰かに聞く前にざっくりした金額を知りたいなら、トップページのシミュレーターに素材、サイズ、複雑さ、数量、仕上げ、納期を入れると価格帯が出ます。価格ではなく計画用の目安として使ってください。各要素の詳細は料金ガイドで説明しています。
実際の金額を知るには、依頼を一度投稿してメーカーに見積もってもらいましょう。投稿は無料で、購入者手数料もありません。メーカーの見積もりがそのまま支払額です。価格と納期の幅を見比べ、各メーカーの機械と過去の仕事を確認でき、作品が届いて受け取りを確認するまでお支払いは保留されます。